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日記です

7人の侍(おっさん)

 世の中には無駄があふれている、無駄を削減せよ、みたいな論調をよく目にするけど、無駄かどうかを客観的に判断するのってものすごく難しいと思う。満場一致で無駄、みたいなのそもそも世の中で既にそんなに無いような気がするし、無理にでも探して削減しようみたいな風潮になると、無駄かどうか分からないけどやってみる的な姿勢まで、それは成功するかどうか定かではないし無駄ですねえ、とかいわれて制限されてしまうような感がある。それはすごくめんどくさいので勘弁してほしい。偉い人を説得するためのつまらない資料を書いたりする人が重宝されるようになって、たぶん今よりもくだらない仕事がはびこる世界になる。

 つい最近、通勤途中にある交通量のそれほど多くない交差点で、車の往来する量を計測するおっさんが7人ぐらいいたことがあった。7人は黄色い帯の付いた揃いのベストみたいなのを着ていて、そのうち半分ぐらいは計測業務をせずに雑談をしてるように見えた。それをみて自分は、ああ朝早くから大変そうだなあと思う一方で、7人もいらんやろそれ、みたいな感情も抱いたのだけど、でも交通量の測定に7人必要かどうかはおっさんに金を払っている人が判断することだよなあ、たとえばその7人が3人になって人件費がだいたい半分になりました、じゃあその浮いた半分の金を何に使おう、みたいな話になったときに結局金を払う人が好き勝手に決める可能性が極めて高いよなあ、浮いた金をどう使おうみたいな会議したりするコストとかくだらないよなあ、それなら切られた4人のおっさんが雑談で賃金を得て幸福になるほうがまだシンプルかもしれないなあ、といったようなことを考えたりしていた。2時間ほど考えていたら会社についた。

 一方で、削減しても誰も損しない、みたいな無駄はどんどん殺していくべきだと思う。たとえば通勤に2時間かけているみたいな状況は極めて異常だし、被雇用者、経営者双方にその2時間はリスクにしかなっていない。その2時間がなくなれば満員電車の人口も減って第三者も幸福になる。真剣に考える価値があると思う。