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日記です

相性とは

 相性という言葉、良いにしろ悪いにしろ理解の範疇を超えており原因がさっぱりわからなくてもう説明のしようがない、という関係性を表現するのに使われていると思う。

 たとえば剣は斧に強い、斧は槍に強い、槍は剣に強い、みたいなこといきなり言われるとかなり意味不明な感じがするけど、そういう相性なんです、とかいわれるとなるほどそうか相性なのか、といったように場がなんとなく収まるという効用がある。PCパーツ屋っぽいエプロンを装着していればなおさら説得力が増す。なんと便利なものかと思う。

 人間関係もしかりで、誰それとなぜかうまくいかない、あるいはその逆みたいな状況を、相性の良し悪しという表現でさらっと片付けることがままあると思う。

 人間関係がなぜうまくいかないのか、ということを真剣に考える人はおそらく少ない。相性という表現で片付けてしまうのが楽だし、うまくいかない人間関係なんて基本的にどうでもよくて、むしろ害でしかないぐらいのもので、意識するだけ無駄だというのが合理的な考え方だ。相性が悪いのだから仕方がない。すべては相性のせいである。

 一方、なぜうまくいっているのかということについて真剣に考えるケースについては、考えるにつれて対象についての理解が深まり、いつのまにか恋に発展していたりする印象はある。

 つまり相性が悪いという表現をしているということは、個人的に対象がどうでもいいというのと同義だと思っている。どうでもいいことに対しては積極的に使っていきたい。