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日記です

修造

 最近のお仕事は、テストを書きましょう、書かないでリリースしたら殺すぞ、みたいなことを執拗に言い続ける品質管理おじさんになるというもので、客観的にみてかなりうざい感じになっている。

 いまとなっては信じがたい話ですが、ソフトウェアテストを書く文化がまったくない労働環境というものは確実に存在していて、えてしてそういう世界においては、勘と経験と運と過剰な労働力によって品質を担保しようという試みが行われており、おもに検証と称した手動での高速チェックとエクセルシートへの記入作業を柱に据えていたりして、まあだいたい品質は担保されずに機能追加のたびに依存関係で死んだりしながら、迫り来る納期に対して自転車のペダルをひたすら漕ぎ続けるようなエンジニアリングをして、もちろんその過程で多くのトラブルが起きて、そのつど責任問題回避のためにエビデンスと称して時間と共に風化する謎のドキュメントを書くなどの作業を行い、利害関係者の信頼を少しずつ磨耗しながら定年まで生き延びるといったような世界、端的に申し上げて糞の海である。

 もちろんテストを書けば問題が全て解決するというわけではないし、なんでもかんでもmacがあればすべて解決、みたいな話をするappleおじさんのごとき存在になるつもりもない。ないのだけど、あれこれ理由をつけて書かずに糞の海で永遠に泳ぎ続けるよりは、とりあえず正常系だけでも書いたほうが数倍まともであり、それはやがて長期的に安定をもたらす、健康で文化的な最低限度のエンジニアリングはそこから始まるのである、といったような暑苦しい話をしており、客観的にみてほんとうにうざいと思う。